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2016年12月31日 (土)

2016年を振り返って

 さて、今年も恒例となった2016年を振り返ってみたいと思います。

 政治・経済情勢から触れていくと、円のドル為替レートは上がったり下がったりしたものの、1ドル117円程度になっています。コンピュータ関連産業としてはそこまで為替面では今年は左右されなかったかもしれません。

 PC業界は世界的には大きな動きはありませんでしたが国内では激動で、東芝、富士通ともにPC部門を分社化しました。これらのPC子会社は一時VAIOとの3社統合の話もありましたが、結局破談になってしまいました。東芝のPC子会社となった東芝クライアントソリューションは当面単独での事業継続を決定した一方、富士通のPC子会社となった富士通クライアントコンピューティングはLenovoへ保有株式の過半数を譲渡し、連結から外す交渉に入っています。富士通やFMVのブランド、島根と福島にある生産会社は残す方向のようですが、この交渉が実現するとLenovo+NEC+富士通で国内PCシェアの40%を越える一大勢力になります。

 あと東芝といえば原子力関連事業で数千億円の損失計上が見込まれる見通しとなっており、主力事業ではなくなった東芝クライアントソリューションを資金調達のために、将来どこかに売却する可能性もゼロではないのかもしれません。今のところ東芝は更なる事業売却などのリストラではなく銀行からの支援を考えているようですが、主力事業の一つのフラッシュメモリ事業の分社化・上場論も出ており、PC事業どころか東芝グループ自体が存亡の危機に立たされているありさまです。

 Windows関連では無償アップグレード期間が7月29日終了し、大型アップデートとなるAnniversary Updateがなされました。無償アップグレードのやり方は色々と問題が指摘されてきましたが、ひとまず終わった格好です。一方でWindows 7/8.1のSkylakeサポート短縮が撤回され、これらのOS(というよりWindows 7)の根強い支持が世界中にあったことが伺えます。またARMでのx86エミュレーションの話が出ており、将来Windows 10 Mobile端末でWin32アプリケーションが動作する日が来る可能性があります。

 プラットフォーム面ではintelはSkylakeのエンハンスとなるKaby Lakeを発表しましたが、実際の採用製品は今年後半で、本格的な以降は年明け以降となりました。Kaby Lakeは基本的にはSkylakeからの進化は統合GPU程度で、性能的な伸びはさほどでもないという感じです。ハイエンド向けではBroadwell-Eが登場し、デスクトップ向けでは初の10コアとなりました。タブレット向けではCherry Trail採用製品が普及したものの、後継プラットフォームのBroxtonがキャンセルとなりました。intelとしてはCherry Trailは当面提供することOEMに説明しているようです。代わりにApollo Lakeが登場し、これはBraswellの後継というよりはデスクトップおよびノート向けAtomをApollo Lakeに統合した感じです。

 AMDはSocket AM4となるBristol Ridgeを投入しましたが、このAM4プラットフォームはZenで最初に登場するデスクトップ向けのRyzenへの足掛かりみたいなものとなりました。ただそのRyzenは2017年Q2の登場予定となっており、結局2016年内には登場しませんでした。

 一方AMDでのグラフィックスは6月末に新世代となるPolarisマイクロアーキテクチャを発表し、最初の採用製品としてRadeon RX 480が登場しました。GCN 1.3となり、14nm FinFETプロセスによる製造で消費電力はかなり下がっています。対するNVIDIAは5月に新GPUアーキテクチャPascalを採用するGeForce GTX 1080/1070を登場させています。

 さて2017年の展開についてですが、intelはKaby Lakeを本格展開していき、年末以降に後継のCannonlakeが登場予定です。AMDはZenをRyzenを皮切りに本格投入していき、今度こそパフォーマンスセグメントに再び勝負を挑む予定です。グラフィックスではNVIDIAはPascal後継のVoltaを投入予定、AMDはVegaを投入予定となっています。Windows 10は大型アップデートRS2のリリースが予定されています。

 ところでWeblogをご覧になれば分かりますが、投稿頻度がめっきり落ちております。。何だか忙しかったのと取り上げたいPCねたが少なかったというのもありますが、主な活動の場がTwitter(https://twitter.com/98_weblog)に移りつつあるというのあります。こちらで海外Webサイトのねたを扱ってることもありますので、WeblogとTwitter両方チェックしておくといいかも。PC関連ねたは「#PC関連」というハッシュタグをつけていますので、雑談とかPC以外のねたは不要という方はこれでまとめて読めます。このハッシュタグは他のユーザも使っているようですが、基本的には私くらいしか引っかからないはず。。

 本年の更新はこれにて終わりです。今年1年間ご愛読ありがとうございました。次回更新は2017年1月5日を予定しております。今後もより一層の記事充実に努めてまいりますので、2017年も引き続き当Weblog(とよければTwitterも)をご愛読のほどよろしくお願い申し上げます。

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2016年12月 8日 (木)

intelがAMDとGPUについてのクロスライセンス契約を締結

 intelがAMDとGPUについてのクロスライセンス契約を結んだそうです。

https://www.techpowerup.com/228467/intel-could-license-amd-radeon-igpu-tech-for-future-processors
http://www.fudzilla.com/news/graphics/42322-future-intel-cpus-might-come-with-amd-graphics-chip

 最近になってintelとAMDが契約に合意したそうで、これによりintelはAMDのGPUの知的財産を自社プロセッサの統合GPUに使用できるようになります。

 これはすなわち、intelプロセッサにAMDの技術ベースの統合GPUが将来搭載される可能性があるということになりますが、AMDベースの統合GPUのブランドがRadeonになるのかHD Graphicsになるのかは今のところ不明です。

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2016年12月 2日 (金)

NVIDIAがGeForce GTX 1060のGP104版を用意

 NVIDIAがGeForce GTX 1060のGP104版を用意しているそうです。

http://videocardz.com/64464/nvidia-preparing-gp104-based-gtx-1060

 GeForce GTX 1060はGP106ベースですが、GP104は上位モデルとなるGeForce GTX 1080/1070と同じもので、製品としてはGeForce GTX 1060 3GBとして販売されるようです。

 詳しい仕様については明らかになっていないものの、Videocardzでは仕様はストリームプロセッサ個数は1152、TMUは72、ROPsは48、コアクロックは1506MHz/1708MHz(Boost)、メモリクロックは2GHz、メモリバス幅は192bitとしています。

 ただGeForce GTX 1060は中国市場限定という話もあり、日本で販売されるかは不明です。

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